撮影:新建築社
●掲載誌:『新建築』1993年11月号/新建築社
礼拝会は虐げられた女性を物心両面から支えることを通じて、キリストの福音を伝え、神に奉仕、献身することを霊性とする会であり、福祉的な実践活動を社会的使命としている。同時に、観想的な面もあり、特にキリストイエズスの象徴としての聖体(パン)を、永続的に祈る、その祈ること自体を純粋に追い求めるカトリックの修道会なのである。合言葉はAdoraccion(聖体の礼拝)、Liberacion(解放)。この新館は、その修道会の既存の修道院に接続してつくられる、高齢のシスターのための「もうひとつの共同体の家」である。
表通りから壁面を十分後退させ、庭深く静かに構え、修室(寝室)<Dormitorio>や居間<Cuatro de Hermanas>、オラトリオ<Oratorio>など各室は南面させ十分明るく暖かいスペースとし、一方、廊下、ホール<Galeria>は極力光を抑え、奥深い沈黙したスペースが作られている。
   
所在地 東京都世田谷区
敷地面積 7,541.19m2
延床面積 1,251.48m2
構造規模 鉄筋コンクリート造 地上3階
施工 佐藤秀工務店
竣工 1993年7月