撮影:新建築社
●掲載誌:『新建築』1995年2月号/新建築社、『日経アーキテクチュア』1995年2月27日号/日経BP社、『建築MAP東京・2』/TOTO出版
●受賞:AIAデュポン・ベネディクタス賞優秀賞
地下鉄都営新宿線篠崎駅前広場にプロットされた小建築である。それは東京都設計者選定制度で選出された建築家によるいわゆる“文化デザイン交番”の22番目の作品となった。
私たちの建築的応答は3つある。まず「6m角の半透明キューブ」を広場のオブジェとして空中に浮遊させること。次に本体(ボディ)デザイン。コミュニティ・ルーム(街の人びとの寄合所)や婦人警官配属のための部屋、パトカー置き場などをもつために、通常の交番(50m2)の倍の面積をもち、また限られた敷地面積から3階建てとなった。それを構造的なバランスを取りつつ、ビル化を避け、円形の公衆トイレとの間につくられる空間の姿を念頭においた。「純白のシリンダー」となったこと。
そしてもうひとつ、私たちの意図したところは、街の人の寄りつきやすい「軒下空間」をつくり、警察官にとっては住宅的居住性を内部に確保することである。
   
所在地 東京都江戸川区
敷地面積 77.09m2
延床面積 115.06m2
構造規模 鉄筋コンクリート造 地上3階
施工 佐藤秀
竣工 1994年11月