撮影:藤木隆男建築研究所
●掲載誌:『新建築住宅特集』1997年2月号/新建築社、『建築文化』1995年6月号/彰国社、『建築雑誌増刊作品選集1999』/日本建築学会
敷地は岐阜市茜部、当該の敷地からはまだ岐阜城が見え、周辺には長良川と木曽川の沖積平野の様相が残っているし、道路を挟んだ向かい側は、朽ちかけた土蔵のある旧家の屋敷林の濃い森影である。また、600坪余りの敷地の広さは、一戸の個人住宅をつくるには十分なものであった。そこで、敷地をおよそ3分割し、既存のテニスコートはそのまま生かし、残りを住宅と駐車場にあてる単純な土地利用構成とした。
「大きな屋根のある家」という建主の条件に対し、私たちは“建てられるべき家”を@できるだけ大きな屋根をもつこと、A地域を意識した現代住宅であること、B建てること・住むことの全体性をもつこと、を目標にした住宅建築として応答しようとした。この鉄筋コンクリートのベースの上の大断面合掌トラスの大屋根が「茜部の家」の建築景観づくりに支配的な役割を果たしている。屋根・小屋裏大空間は、ファミリーリビングと3寝室が「入れ子」状に組み込まれている。
   
所在地 岐阜県岐阜市
敷地面積 1,983.46m2
延床面積 416.44m2
構造規模 鉄筋コンクリート造+木造 地上2階
施工 安田建設工業
竣工 1996年11月