撮影:岩本組
●掲載誌:『新建築住宅特集』2008年1月号/新建築社
敷地は、西荻窪の住宅地の一角、2面道路をもち南北に隣接する2区画。親子3世代/2世帯5人のための2つの住まいを作るという条件である。連続する敷地の正面にあたる南の家、『M邸』が2住宅全体のあり方を先導している。各階に可能な限り大きなフロアをワンルームとしてとり、全体はシンプルで控えめな建ち方の家である。美しく住まうことを求める施主に対する私たちの提案は、地下1階地上2階の南北に開いた「大和葺きの切妻」である。
北の家、『T邸』はおおきな中庭に南面する。『M邸』の「切妻」のもつおおらかなイメージに対し、こちらは「屈曲した片流れ」である。若い世代の施主に対しては「整えられた生活」が可能な合理的なプランが提案された。1階にオープンキッチンを中心にしたパブリックスペース、2階は庭に開いた浴室/洗面化粧室をはさんだ2寝室である。
2つの住宅は、長大な庇で連結された「大和葺きのひとつの家」となった。
   
所在地 杉並区西荻南
敷地面積 147.75/111.14m2
延床面積 176.50/97.72m2
構造規模 鉄筋コンクリート造+木造 地下1階地上2階
施工 岩本組
竣工 2007年8月