[AP]集合住宅 > 2008.03 | ||
撮影:新建築社 特注家具デザイン:椎名啓二アトリエ |
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●掲載誌:『新建築』1997年7月号/新建築社 | |||||||||||||||||
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1990年前後に竣工し、15年余を経て復元的に建て替えられることになった、集合住宅の外装色彩および外部照明計画の監修業務と併せて行った、集会所の内装改修計画である。 ヨーロッパの山岳都市をモデルにしたこの団地の建築デザインは、竣工後「都市計画学会賞」を受賞している。実験的で美しい景観をもつこの団地の建て替えにあたり、当該街区の管理組合はオリジナルの色彩計画に忠実に景観を復元することを目指して、慎重に工事に取り組んだ。幸い、当初の色彩計画資料が保存されており、その色彩景観の再建に役立った。 一方、集会所の内装改修については、時代の変化に伴う機能の見直しが全面的に行われた。熱心な住民参加のアンケート、ワークショップ(日本女子大定行研究室協力)を経て、それぞれ特徴をもった3つの集会所が生まれることになった。すなわち、書斎/ラウンジ的なもの、オープンキッチンを中心にした住宅的な設えのもの、そしてアリーナ/大会議室/ホールである。それらは、特注家具を含む密度の高い仕上げとデザインをもち、住民の団地生活のあらゆる交流や集会活動に耐えられる、新しく質の高いものが設定されている。 これら3つの個性的な「居場所」が、大切にされ、大いに活用され、そしてより良くハウスキープされることを通じて、団地住民に豊かな潤いをもたらすことを期待している。 |