[ED]教育・医療・福祉施設 > 1996.02 |
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近年、リノベーション(再生)やコンバージョン(転用)が注目されているが、いざ現実にそれをよりよく実現するのはなかなか困難な場合が多い。オリジンの検証と正当な評価、制約条件と技術的可能性の見極め、現代生活への適合性など課題は多い。しかしその様な面倒なまわり道を避けて、安易なスクラップアンドビルドを急いできた戦後の私たちは、今深刻な都市景観の混乱の中にいる。改めて肝に銘じて壊したり造ったりすることへの畏れを忘れてはならない。 このケースは内部空間の改修に限られたのだが、私たちは白くスクエアーなモダニズムの空間(文部省/東京都による戦後復興のモデルスクール)の中に、木造住宅のような設え(庇や玄関、収納や書斎)と質感(ナラ無垢材オイルフィニッシュ)をもった新しい教室を「入れ子」状に挿入した。モダニズムの復元や化粧直しではなく、実用的で暖かい、触覚的な教室空間を際立たせるのである。 その方法は、先人の建築への努力を多としつつ、最小限生活し易く改造し、大切に使い続けることにより、ひとまずその建築の命を継ぐことである。 |
所在地 | 新宿区西戸山 | |
敷地面積 | 8,018m2 | |
延床面積 | 5,013m2 | |
構造規模 | RC造 地上3階 | |
施工 | 原田建設 | |
竣工 | 1996年2月 |