[ed]教育・医療・福祉施設 > 1998.06 | ||
遠く西に伊吹山を望む濃尾平野ののどかな既成市街地、北側に小学校が隣接する平坦な敷地である。 改築にあたり、たてわり保育、障害児保育、時間外保育などを広く受け入れてきた“仏教的教え”に基づく保育/福祉精神の、更なる課題であり時代の要請でもある高齢者通所施設=ディ・サービスを合築することが企てられた。両施設にとって「接地性」は必須の要件である。高齢者施設と保育園の一部、乳児室と一時保育室、遊戯室を1階に配置、その他の保育諸室を2階とした。1階の屋根には土を盛り「地上化」することにより地面からの遊離を補った。 生命環境がエンドレスな構造をもつとすれば、その一部である建築環境もまたそうあるべきなのかもしれない。この建築は翳や襞、レベル差や肌触りに満ちている。子どもや年寄りにとって豊かな「アフォーダンス」としての建築環境、それは子どもにも年寄りにも媚びず、しかしやさしい営巣=生活空間づくりの試みなのである。 建築が古び、植生が成熟するとき、街の人々が保育園の「子育て支援」に自然に参加し、「在宅と施設の境の無い」高齢者の居場所が整っているのを夢想して見る。すなわち「福祉施設の環境化/環境の福祉施設化」の実現である。 |
所在地 | 愛知県一宮市 | |
敷地面積 | 2,461.44m2 | |
延床面積 | 1,227.56m2 | |
構造規模 | RC造 地上2階 | |
施工 | 矢作建設工業 | |
竣工 | 1998年6月 |