[UR]都市施設 > 2005.06 | ||
真鶴と湯河原のちょうど中間、西湘の海に面する「吉浜(頼朝ゆかりの地)」に昭和初期に建てられた木造3階建ての洋館である。 それは、関東大震災で損壊した東京上野の旧帝室博物館の遺構部材の一部をベースに、海辺の保養所/別荘としてこの地に再構築されたものである。またそれは、各部のディテールに、明治のお雇い外国人建築家;J.コンドル設計の建物である「上野」の、印度サラセニック様式の面影を濃くとどめてもいたのである。 建て主の没後30年を記念し、子どもの頃ここで夏を過ごした遺族の娘姉妹の父へのオマージュとして、フランス料理のレストランとサロンに「再生」させようとしたものである。1階をレストラン客席と厨房に充て活用し、2階のサロン、3階の広間は最小限の修復にとどめたのである。 私たちは、未解明の部分の多い建築文化遺産として、極力オリジナルに手を加えず目的の機能を満たし、その歴史的価値判断を後世に委ねるべきであると考えた。 ちなみに再生されたこの吉浜の洋館は、その後湯河原市の第1号登録有形文化財の指定を受けている。 |
所在地 | 神奈川県足柄下郡湯河原町 | |
敷地面積 | m2 | |
延床面積 | 337.85m2 | |
構造規模 | 木造 地上3階 | |
施工 | ||
竣工 | 2005年6月 |