[DW]住宅 > 2012.06 | ||
築約26年の大型住宅の原地改築である。目標は延約130uの家、つまり"減築"である。外構、庭は元の家のものをそのまま活かしている。私たちの提案は、平屋のLDKスペースと2層の寝室/水まわり/和室のブロックに2分して南北(正確には南西と北東)に配置し、それらを東西に2層吹抜で貫くホール:ボイド空間で束ねるという構想である。そこは、この家の在り方全体の印象を示し、家の中心部への光や風の通り道:器官であり、家族の動線の要である。またそれは、中国やベトナムなどの古建築に見られる『二棟造り』を類推させる、この家の景観的個性を、既成住宅地の中で控えめに主張してもいるのである。 ところで、このホールの中心(家の中心)には巾2.0m×高さ4.0mの大きな輻射冷暖房パネル(PS:HR-C)が配置された。現代都市生活を、日本の伝統的家屋室内気候のような居住性の中に再構築しようとする目論見である。外層の金属板葺き通気工法による熱負荷の軽減と併せて、一歩改善された室内気候が実現されることを願っている。 |