[ED]教育・医療・福祉施設 > 1992.12 |
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敷地は目黒通りと環七の交差点、柿の木坂陸橋に面した、開けた都市景観を持つ150坪余りの住宅地であった。幅28m余りの目黒通りに直接面しているにもかかわらず、住居地域で、北側隣地は1種住専・1種高度という都市計画条件をもつ。 8×10mの整形な教室(3学年3クラスの9教室)を不等辺四角形の敷地の形と、北側斜線・日影規制による形体制限のアミの中に納めるというパズルワーク。この果てしない作業の繰り返しの中から浮かび上がってきたのが、「中廊下・雛壇」状の教室の配置である。教室以外の諸室は残されたわずかな空間(三角スペースや地下)に嵌め込み、付加しつつ、何とか要求を満たすことになった。 結果として生じた雛壇状の屋根=ルーフテラスを、屋根のないもうひとつの教室として捉え地上にキャンパスのないこの学校の立体的なキャンパスとしても読み取り、外階段で連結された学生が自由に回遊できる、ささやかで気のおけないキャンパス空間とした。 私たちは、この学校建築が柿の木坂に発信するコトバとして、柿の木坂の喧騒から身を包む衣装として、ガラスブロックの塔と湾曲するコルゲート板のスパンドレルを選んだ。それは、教室の整形な配列とは異なり、光とカタチの過剰であいまいな仕掛けとして装着され、柿の木坂と対峙している。 |
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