[ED]教育・医療・福祉施設 > 1998.03 |
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撮影:新建築社 | |||||||||||||||
●掲載紙:『新建築』1998年10月号/新建築社 ●受賞:岐阜市景観賞 |
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敷地は岐阜市の南のはずれ、住宅地がとぎれ、農・商・工が混在する地域にある整った矩形である。南東側に園庭を囲むL字型配置の一般原則を守り、その枠組みの中に控え目な変化と豊かさを求め、建築過程を厳密に考慮した配置、平面計画となった。 第1期部分は3階建て片廊下(室内)のコンパクトな平面配列とし、「2戸1型(保育室2にトイレ1)」の保育単位を鉄骨造の中の木造としてつくり、1階年少、2階年中、のそれぞれのあり方で限られた平面計画の中に開放性と親密さを醸し出すことを目指した。 一方、第2期部分は旧園舎解体後の更地を利用でき、年長組保育室を含むことから、「集中配置型」のにぎわいのある保育室回りを試みた。結果として、ひとつの幼稚園の中にいくつかのモードの違う保育空間が生まれ、それが3年間の保育生活に一定の変化を与えることを可能にしたと考えている。 また、建築表現として屋根をいわゆるマンサード型を基本形にしたさまざまな形態の長短、高低による組合せとしてスカイラインを整え、園庭側外壁全面を木製羽目板と木製建具とすることにより、囲み型の「内向き性」といったものをつくった。それは、特徴のない街並みを親和する環境整備の役割を幾分かでも果たせたのではないだろうか。 |