撮影:新建築社

●掲載誌:『新建築』2004年4月号、『日経アーキテクチュア』2004年6月14日号

この建築は既存の商業施設をコンバージョン(用途変更)、リノベーション(再生)したものである。外装デザインは、ステンレス・コンベアベルトによるメッシュスクリーンで覆われたメタリックなボディの景観がつくられた。駅周辺の商業・業務地区の街並みの表状に同化させたのである。
エントランス周りは水平に伸びる白い鉄骨庇と、やはり白い穴あきレンガブロックの格子スクリーンにより、清潔で温かみのあるしかもインティメートな寄り付きがつくられた。
透析治療室である室内は既存建物の高階高を活用し、ボールト天井、間接照明、漆喰塗の吹抜大空間である。長時間のベッド上での治療時間を飽きのこない癒される場にすることを目指している。
聖武天皇の施薬院から赤ひげの小石川養生所まで、本来地域医療施設は懐の深い安らげる場所であった。“病院から健院へ”・・・ そこは新しいヒューマンスペースでなければならない。
   
所在地 八王子市
敷地面積 691.38m2
延床面積 1,008.79m2
構造規模 鉄骨造 地上2階
施工 不破工業
竣工 2003年1月