[ED]教育・医療・福祉施設 > 2015.3 |
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定員45名、6〜8名/1ユニットの小規模ケアの場合、半数以上が個室であることを求められるケアユニットは、通常概ね「6LDK〜8LDK/約150〜200uの家」となる。私たちはその建築モデルとして、平屋と2階建の2つのタイプをつくり、それをL字型に連結してひとつの住棟=「児童棟」とする、いわば“ナザレ園型”児童養護施設建築を提案した。そのL字の要にスタッフ室(書斎/宿直室)を配置している。 それは、2つの家庭的な子どもの生活領域を自立・完結しつつユニット双方へのスタッフ動線を確保し、夜間のケアやユニット間相互の養育上のバックアップを容易にするための仕掛けである。L字の外側コーナーに車を横付けできるピロテイ状のポーチ(2つの玄関)を設け、内側に縁側(物干しスペース)を回し、芝生の庭に開いている。L字の建物は、外側と内側に対照的に性質の違う外部空間を生み出している。また高さの違う2つのユニットは、単調な繰り返しになりがちな施設建築に、変化のある場所とスカイラインをもたらすことが意図されている。 |