撮影:桑水建築写真工房
 
   
所在地 千葉県船橋市
計画床面積 1668.75m2
構造規模 RC造 地上4階
施工 株式会社 大城組
竣工 2016年3月
 
 特徴的な円形の街区(戦前の『行田の無線電信所』)の一画にあった「国家公務員宿舎敷地」跡を、船橋市が再開発整備する「福祉と防災の拠点地区」の南端に位置する。北側の多目的運動広場と南側の民間戸建て団地に挟まれた約2,700u/旗竿状の平坦地である。アプローチ道路、消防活動用空地や既存樹木のサクラやヤマモモを除く建築に有効な敷地に、20世帯の母子生活支援施設をつくるものだが、それは比較的大空間を必要とする地域交流スペースを別にすると、片廊下なら概ね4階建てで計画されてくる。
 1階に接地性が優先される地域交流、事務、保育などの各室を配置し、母子室は奥の2〜4階である。上階の母子フロア−は、30u以上/室、1DKから3DKの母子室を南と東側に「L字型」に6〜8室配置し、要所に小規模な共用室と倉庫を持つごく素直なプランニングである。
 その母子室は、困難な状況にある母一人親の家族が、ひとまず駆け込める安全なシェルターであり、一定期間を健康で心安らげる、そして自立へのエネルギーを蓄えられる「もうひとつの家」であってほしい。