[ED]教育・医療・福祉施設 > 2019.3 |
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“well being”な児童養育の場施設移転改築の計画/建設対象敷地は、長崎港を一望し緩やかに北下がりに傾斜する住宅地にある、『旧浪ノ平小学校』跡地高台約4,000uの見晴らしの良い平坦地である。 計画は、『新しい社会的養育ビジョン』を踏まえた、定員46名(内地域小規模6名含)、 家庭的な住空間の「小規模ユニットケア児童養護施設」建築群と、地域・子育て福祉の核である「児童家庭支援センター」をもつ事務棟建築など合わせて5棟で構成されている。。 事務棟は、1階に施設/法人の各事務・応接・相談・会議・休憩スペースのほか、園全体の会食や集会などが可能で地域活動に開かれた地域交流スペース(調理室付)を設ける。2階には親子訓練室、ショートステイ/緊急一時保護室、相談/心理療法室など、「児童家庭支援センター」としての機能を備え、地域の子育て支援の専門的で包括的な核となる施設を目指す。 児童棟は、定員8名/独立性の高い住宅的なスケールの小規模ケアユニット;床面積約174u×5単位からなる。うち4つは2ユニットの(スタッフ室を通じた)連結型×2棟、残りの1ユニットは独立型である。 各児童棟1階のLDK+和室は中庭に大きく開かれ、2階の児童居室は7.5u(4.5畳) 程度の個室2室、12.4u(7.5畳)程度の(個室化可能な)2人部屋2室からなり、中庭に面した広いルーフテラス(物干しスペース)を持つ。児童棟は、豊かな緑化環境の中、日当たりや風通しを確保し、自然素材を多用したサステイナブルで居心地の良い住空間を目指している。 ひと時を親と離れてここで暮らす生育期の子どもたちにとって、美しく楽しい街や地域/学校、親身に接してくれる大人たち/施設スタッフ、清潔なハウスキープとおいしい食事など、彼らに用意されるべき生活環境の課題は多い。建築は、それらの高い水準での充足、つまり“well beingな生活空間/環境をつくる”基礎となるはずである。 |