撮影:北田英治
 
   
所在地 東京都杉並区
計画床面積 1498.60m2
構造規模 木造 地上3階
施工 株式会社 西洋ハウジング
竣工 2018年3月
 
 財務省官舎用地であった計画敷地中央の「オオシマザクラの古木を活かす」という『建築的第一感』からこのプロジェクトは始まった計画/設計の要点は以下の通り。

 接地階を「保育」フロア、上階を「高齢者生活」フロアとし、積層する。それぞれが桜の木とテラスを囲み、お互いが緩やかな外階段で連結され、庭を共有する。各施設出入り口やサービス動線は西側(前面道路側)に集約し、地域交流スペースはそこから直接のアクセスを可能にしている。保育登退園は、建物外周の「土のフットパス」を経由して、直接それぞれの保育室玄関から行う。

 保育園は0−1歳児室及び2歳児室を独立して設け、3〜5歳児室はパネルや家具などでテンポラリーに間仕切ることが出来、模様替えが容易な連続的なオープンフロア;いわば『保育のラボラトリー』とする。事務室及び遊戯室;調理室の見えるランチスペースは、1階室内動線の要でもあり、道路側外部及び施設全体、テラス・園庭が見渡せる中央部に配置する。

 2階の認知症高齢者GHは、フロアの外周つまり北側と西側、南側に各9室の居室からなる2ユニットとし、内側の広く日当たりのよいルーフテラスに面してそれぞれの共同生活室(LDK)を設け、そのオープンキッチンの背面に2ユニット共用のスタッフ室を配置する。両ユニットの四六時中の生活状態の把握を容易にし、特に夜間など必要時に各ユニット担当スタッフ同士の補完、応援などの可能性を残している。